ニガイグチモドキ
Tylopilus neofelleus Hongo


20 August, 2003 一ノ瀬高原(山梨県塩山市)で

ニガイグチ属のきのこでも苦くない種があるが、こいつはものすごく苦い。ホームページに載せるにあたり、久しぶりにほんのひとかけらを生で食べてみた。
苦みというのは下の奥の方で感じるわけだが、奥まで味が届くにはワンテンポ遅れる。だから食べた瞬間は、「ん? あまり苦くないぞ」と感じる。ところが、十秒くらい経ってからじわ〜っと苦みがきた。口をゆすいだくらいじゃ消えない強烈な苦みだ。鍋物や汁物に入れると、汁まで苦くなってしまう(経験あり(^^;)
ニガイグチモドキを見分ける場合、まず孔口を見るとよい。幼菌時から淡紅色または赤ワインを淡くしてような色を呈している(上の写真を参照)。有名な研究者である青木実は、かつてこのきのこに「ウラムラサキニガイグチ」の仮称を与えたが、それはこの孔口の色に由来する。
傘の色は淡褐色から濃褐色、あるいはオリーブ色を帯びたものなど、けっこうバリエーションがある。柄は赤紫を帯び、成菌では頂部に近い部分が淡色となる。頂部には網目があるのがふつうと言われるが、ほとんど目立たないこともある。また、柄の根元には白い菌糸がまとわりついている。
こんなところがニガイグチモドキの特徴といえようか。
夏〜秋、主にブナ科の樹下に発生。とくにアカマツとコナラの混成林ではごくふつう。毒ではないようだが、絶対に誤食したくないきのこである。

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