対物100倍 その1

すべて元画像は1600×1200ピクセルだが、比較しやすいよう、接眼10倍は600×450、接眼15倍は400×300ピクセルに縮小し、被写体のサイズを等しくした。トリミングや色調補正は一切していない。
 ビクセンWF10X 
周辺部の色収差とぼけが目立つ。


 ニコンHKW15X
上のビクセン10倍と比べて、どっこいかなぁ。


 オリンパスWF15X
ニコンの15倍より色収差は少ない。


〔診断〕
ビクセンWF10Xを使った画像を見て、最初に目に付いたのは周辺部の色収差だ。胞子などを撮っていると、いつもこれが気になり、色づきの顕著な部分はトリミングでカットしていた。じっくり見ると、かなりセンターに近い部分まで色づきが見られる。周辺部ほどボケやすいのは、どのアイピースを使っても同様だが、この画像ではかなり内側までボケがきている。やはり評判通り、アイピースの性能がイマイチなのだろうか。糸巻き形の歪曲収差も目立つが、望遠端で撮っている以上は仕方のないことで、接眼の性能とは無関係のことである。
ニコンHKW15Xは、3本の中ではもっとも重量感があり、いかにも高級感のあるアイピースである。これをくれた人は、「なかなか性能がいいので、試してみてくれ」と言っていた。ところが、実際の写りはビクセンWF10Xとどっこいのようである。
15倍ではニコンよりオリンパスのほうが色収差が少なかった。これは、私が使っている対物レンズ(オリンパス製)との相性のせいかと思われる。ニコンHKW15Xはニコン製顕微鏡で性能をより発揮できるのではなかろうか。
結論として、私のオリンパス製顕微鏡には、オリンパスのWF15Xがいちばんよくマッチするように思われた。また、比較対照がビクセンとはいえ、10倍より15倍のほうが写りがよいという、常識に反する結論となった。
なお、10倍と15倍の比較についての愚考を対物100倍 その2に書いておいた。