キララタケ近縁種 part5

胞子形状をどう判断してよいのかという点については最後まで悩まされた。
ロマニエシによると、サッカリヌスの胞子の側面(幅の狭い方)は楕円形で、正面(幅の広い方)は、卵形またはやや尖帽形であるという。
尖帽は英語でmitra(ミトラ)といい、司教がかぶるとんがり帽子のことである(上の絵を参照)。このとんがり帽子のかたちを「mitriform」といい、「僧帽形」とも訳される。余談ながら、胞子は通常、発芽孔を上に向けて描かれる(上の絵では逆)。なので、海外の図鑑では「逆さミトラ形」みたいな表現もみられる。
さて、うんちく話はこれくらいにして、件のコプリヌスの胞子である。サイズ的にはサッカリヌスにも合致するのだが、問題は形であった。やや尖帽形(un peu mitriforme)の「やや(un peu)」に引っ掛かってしまった。
ロマニエシの手書きの胞子図もcprinus siteに載っていて、たびたび眺めてみたのだが、同じようにも見えるし、違うようにも見える。
さらに困ったことに、キララタケ(C. ミカケウス)の胞子ともそっくり。というか、むしろ「キララタケの胞子そのもの」と言っていいくらい似ているのである。
胞子だけを見ていると、「これって、ただのキララタケなのかなぁ」とも思えてくるのであった。
しかし、柄の表面が常にスベスベ(あるいはツルツル)であることや、柄に剛毛を欠く点などから断じてキララタケではない・・・と思う。
そして、残念ながらコプリヌス・サッカリヌスでもなかった。
そのうち名前がわかる時(新種として発表される時?)がくるかもしれないが、わからないままでもいいかな、と思っている。
このキラキンさんにはたっぷり遊ばせてもらったのだから、それで十分という思いもある。(記・2004年6月19日)
[追記]
あああ(記・2011年9月13日)
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