カンゾウタケ
Fistulina hepatica Schaeff.:Fr.


98.05.12 茨城県大洋村で

こういう間違えようもないキノコを取り上げるのは気楽でいい。
ヒダナシタケ類カンゾウタケ科カンゾウタケ属カンゾウタケである。
スダジイ、マテバシイなどの老木の根元に出るのがふつうだ。古い寺社林などで、太い根が地上にせり出ているようなシイの木を探せば、見つかる可能性は高い。
わずかに酸味があるが、クセはなく、なかなか美味しいキノコだ。メロンのようにすっと切れるほど柔らかい。
調理法は、まず包丁で見栄えの悪い管孔部分(消化も悪い)を剥き取り、身を一口サイズに切ってから湯掻く。茹でる時間は1分か2分くらいでOK。湯がロゼワインのように赤くなる。西洋人を真似て生で食べてもよいが、茹でた方が身が締まり、舌触りのよいぬめりが出る。あとは水にさらして刺身にしてもよいし、味噌汁に入れたり、大根おろしを添えて酒の肴にしても美味い。
バターやサラダ油で炒める場合は湯掻く必要はない。炒めたカンゾウタケはアミタケのようなとろっとした舌触りで、喉ごしもよい。
さて、いかにも知ったふうに書いたが、じつは採ったのは今年が初めて。しかし、以上の調理法はすべて試しているので信用して大丈夫。
ところで、上の写真のカンゾウタケは幅が20cmくらいある。1個体のように見えるが、この下に若いカンゾウタケが隠れていた。若い方のはほんとに血の色であった。

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