オオズキンカブリタケ
Verpa bohemica


2003年4月27日、栃木県

アミガサタケが桜の樹下を好むことはよく知られているが、このオオズキンカブリタケも同様だ。初めて見たのは2000年春のことで、福島の斎藤さん(MashRoomのpicoさん)のシロに案内してもらった。そこは山斜面に拓いた桑畑の上、ほとんど尾根に近い辺りなのだが、棚状になった草地である。そして、すぐ上に一列に並ぶように数本の山桜があった。
次に見たのは2003年の春、「きのこ雑記」の浅井郁夫さんが見つけたシロで、林道と渓流に挟まれた斜面、やはり山桜の樹下であった。
しかし、桜がない場所にも出る。日光の中禅寺湖に注ぐ沢沿いではマルバダケフキの群落の中に発生しており、周辺に桜の木はなかった。
ヨーロッパの図鑑で発生環境を調べてみると、開放的な広葉樹の林、河川敷の草地などとあり、日当たりのよい場所を好むようである。
一見アミガサタケの仲間のように見えるが、傘と柄の関係がまったく異なる。アミガサタケを真っ二つに切ると、頭部と柄がひと連なりになった一個の空洞である。ところが、オオズキンカブリタケは、柄のてっぺんに頭巾のような傘がのっているのである。つまり、柄と傘との関係は離生である。ヘアスタイルのソバージュを想わせる傘のしわしわも、このきのこに独特の風貌をもたらしている。
アミガサタケと同様、食用になるが、とりたててうまいとは思わない。

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