アワタケ
Xerocomus subtomentosus


2003年9月3日、埼玉県小鹿野町で

小さいわりに孔口は大きい。そんなイグチを見ると「アワタケの仲間かな」と思う程度で、ほとんど関心を持つことはなかった。ただ、この日ばかりはあまりにもきのこが少なく、普段なら見向きもしないきのこにも目がいってしまった。で、家に帰って図鑑で調べてみると、どうやらただのアワタケ Xerocomus subtomentosus であった。
アワタケには多少の青変性があり、右の個体はさわった所がやや黒ずんでいる。青変性はフレッシュなときに出やすいようで、家で切ったりさわったりしてもまったく変化がなかった。
図鑑には傘にアンモニア液をたらすと赤褐色に変色すると書いてあるので、試してみた。結果、赤褐色に変わったようにも見えるし、たんに液が染みて色の濃淡が変化しただけのようにも見えた。アワタケによく似た Xerocomus spadiceus というイグチは傘にアンモニアをたらすと青〜青緑に変色するそうで、それでないことは明らかだ。
検鏡もしてみたが、アワタケであることを疑う材料はとくに見あたらなかった。

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幼菌
胞子
傘表皮
側シスチジア
柄の表皮

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