オオシャグマタケ
Discina gigas


2004.05.12 日光市

一見シャグマアミガサタケに似ているが、頭部の色が違う。シャグマはふつう赤茶色か赤ワインのような色だが、オオシャグマはむしろ黄土色に近い。しかし、なかには赤茶色に近いようなオオシャグマがあったりして、外見では判別しがたいこともあるようだ。大きさも「オオ」が付くからオオシャグマのほうがでかいとは限らない。どちらも、でかくなる個体は大人の握り拳よりでかくなる。
顕微鏡で胞子を見れば、両者の違いは明らかだ。シャグマの胞子は平滑な楕円形で、通常は小さな油球が2個見える。これに対し成熟したオオシャグマの胞子は、両端に乳首状の突起があり、油球は真ん中に大きいのが1個(その左右に小さいのが1個ずつあることが多い)、そして胞子表面には網目ができる。
日光では、シャグマはモミ樹下の地上(根元、笹藪の中、裸地、ときには苔むした岩の上)に、オオシャグマは主にカラマツ林内の地上・材上に見られた。シャグマはいかにも菌根菌のような出方をするが、オオシャグマは腐生菌だろう。地上では切り株や倒木の周りが多いようで、腐った木から養分を得ているようだ。図鑑によると、埋もれ木から出ることも少なくないという。
シャグマとオオシャグマは発生時期にも若干のずれがあり、シャグマのほうが一足早い。(記・2003年5月)

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