フチドリツエタケ
Oudemansiella brunneomarginata L.Vassilieva


2001.10.06 福島県田島町で

マツタケ狙いで入ったアカマツの尾根を下り、沢伝いに道路へ向かっている途中で、倒木に群生したフチドリツエタケに出会った。いつものようにマツタケは空振り、他にめぼしいきのこも見つからなかった直後だけに、「やった!」と思った。
フチドリツエタケは、図鑑によると、秋にイタヤカエデ、ダケカンバ、シナノキなどの倒木や枯れ木に群生するという。比較的珍しいきのこのようで、見たのは昨年9月の日光以来2度目である。数十本の群生を見るのは初めてだ。ただ、残念なことに、和名の由来でもあるひだの縁の色が薄く、あまりフチドリツエタケらしくない。どの図鑑にも、ひだの縁は濃い紫褐色にふちどられると書いてあるのだが、色が薄すぎて、ふちどりが目立たないのである。
フチドリツエタケの傘の色は、初めは紫がかった褐色だが、成熟するにつれて淡褐色からクリーム色へと変化する。ひだのふちどりは、きのこが若いうちは顕著で、傘の色が淡くなるにつれて目立たなくなるようだ。こんどはぜひ、若い個体の群生を見つけて写真を撮りたいと思う。
他にこのきのこの特徴は、柄が暗褐色の鱗片におおわれ、だんだら模様をなすことである。ふつうのツエタケと違い、基部が根状に伸びることはない。
ご飯といっしょに吸い物で試食した。しゃきしゃき感とぬめりがあって、かなりイケる。野生のエノキタケと似た感じかな。汁物、鍋物、おろし和えなどに合いそうだ。和風の食材としてみれば、第一級のきのこといえるかもしれない。

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