クロカワ
Boletopsis leucomelas (Pers.:Fr.) Fayod


1999.09.15 福島県舘岩村で

黒い皮を被ったキノコだからクロカワというのだろう。地域によってクロット、ウシビタイ、ロウジ、ナベタケなど、いろんな呼称があるようだ。名前が多いということは昔から全国的に食べられてきた証拠でもある。
こきのこの特徴は、ぽくっとした歯触りと、ほどよい苦み、うま味があることだ。食べ方は単純で、網で焼いてから醤油をつけて食べる。あるいは、さっと湯掻いてから大根おろしで。どちらの食べ方も酒の肴に合う。独特の苦みがあるので、苦いのが嫌いだという人にはお勧めできない。
関東では富士山のシラビソ林(2合目〜4合目)によく出るが、福島県ではコナラ林でしばしば見かけた。アカマツすら一本もない純然たる広葉樹林である。私の味覚では、広葉樹のクロカワのほうが富士山のものに比べて苦みが薄く、歯あたりもよく、おいしい気がする。以前、富士山で会った地元の人から「富士山のクロットより里山のクロットのほうがうまい」という話を聞いたことがあるが、おそらく里山のクロットというのも広葉樹のクロカワのことなんだと思う。

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