クリタケ
Naematoloma sublateritium (Fr.) Karst.


2000.10.22 群馬県老神村で

キノコ仲間三人で林道を歩いていたら、上の斜面へのとっつきに二〇〜三〇メートルに渡ってビニール紐が張ってあった。「栽培しているんじゃないかな」と一人が言った。見るだけならいいだろうと、ちょっと入ってみたら、林床にはミズナラやブナ、シラカバなどのホダ木がたくさん伏せてあった。九月下旬まで続いた暑さでキノコの出が悪く、ほとんどのホダ木に何も出ていなかったが、少しだけクリタケとナメコが出ていた。
こうした原木栽培のキノコは、「天然もの」として売られることも少なくないという。自生のものと同じ環境で育ったキノコだから、天然と称しても大して罪はないような気がする。
クリタケは見た目もきれいでおいしそうなキノコだが、「ボソボソしてうまくない」という人が案外多い。しかし、みずみずしい幼菌のうちなら歯触りもよくおいしい。
さて、当然のことだが、この時に見たクリタケやナメコは一本たりとも採っていない。他の二人も同様で、「ちょこっともらっていこうか」なんて言い出すような人たちではない。良識あるキノコ仲間との散策は気分のよいものである。
なお、上の写真は栽培物ではなく天然物である。

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