エノキタケ
Flammulina velutipes (Curt.:Fr.) Sing.


2002.12.01 秋ケ瀬公園(さいたま市)

晩秋から真冬の2〜3月頃までエノキタケを見ることができる。倒木に積もった雪をかき分けると、雪の下からも顔を出す。いわゆる「柔らかいきのこ」の中では珍しい存在だ。ただし、雨が降らないと出ない。出ても大きくならない。
成菌になると、傘径4〜5センチから、大きいのになると7〜8センチほどのサイズになる。開いたものは柄の部分が黒くなる。柄は一見まずそうに見えるが歯ごたえがあって意外とおいしい。傘はナメコと同様、大きく厚みのあるものがうまい。
冬乾燥した日が続くと、エノキタケはなかなか成長せず、ミイラのようにしぼんでくるが、一雨降ると再びシャキッとなる。乾燥したものを水に入れてもシャキッとする。だが、一度乾燥したエノキタケは何やら甘いようなコゲっぽいような味がする。
エノキタケは広葉樹の切り株や倒木に出る。とくに藪の中の倒木は保湿されていて発生しやすい。民家の庭では柿の木の切り株に多いというが、柿の切り株を探して人の家の庭に入るわけにはいかない。公園ではエノキ、ケヤキ、ゴマキに出やすいように思う。その他いろんな広葉樹に出る。切り株や倒木以外でも、弱った広葉樹では根元や剪定した枝の切り口に出ることもある。
エノキタケをセリやミツバといっしょに玉子とじにすると酒の肴になる。おろし和えもよい。ヒラタケも晩秋から発生するが、エノキタケのほうが長く遅くまで出ている。冬には貴重な野性きのこであり、シーズンを締めくくるきのこなのである。

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