「白雪姫」の絵本なんかに出てきそうな、いかにもメルヘンちっくなきのこだ。たぶん世界でいちばん人気のある毒きのこだろう。人を酩酊させる成分が含まれているけれど、意外とおいしい。でも、いちおう毒きのこなんで、調理法は書かない。メールで問い合わせされても教えない。食べた量や体質によってどんな反応が出るかわからないからだ。私もめったに食べないしね。
世界的に分布するらしく、ニューヨークのセントラルパークで撮ったという写真を本で見たことがある。メキシコあたりでは古代マヤ文明の時代から食べられていたというような話もある。食うと酔っぱらうもんだから宗教儀式に利用されたというのだが、ほんとかな？　本などで窺い知る限りでは、もっと激しい幻覚をもたらすきのこは他にたくさんあるようだ。
私にとっては山のおなじみさん。見つけると、「また会ったね」と声をかけたくなる、可愛いきのこのひとつである。

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